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伊豆の国・三福で防災講演会 能登半島地震被災者が避難経験語る

三福公民館大ホールで開かれた防災講演会。能登半島地震の被災体験を基に避難所運営の実態が語られた(写真提供=三福絆)

三福公民館大ホールで開かれた防災講演会。能登半島地震の被災体験を基に避難所運営の実態が語られた(写真提供=三福絆)

 伊豆の国の三福公民館(伊豆の国市三福)で2月28日、防災講演会「能登半島地震から学ぶ 私たちの防災」が開かれた。主催は三福区自主防災会「三福絆」。講師は石川県珠洲市で復興支援活動に取り組む宮口智美さん。地域住民や市議会議員らが参加した。

宮口智美さんの講演に耳を傾ける参加者(写真提供=三福絆)

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 宮口さんは2024年1月1日の能登半島地震で被災し、自宅は全壊。最大800~900人が避難した指定避難所で炊き出し班のリーダーを務めた経験を語った。

 発災直後は水や食料が不足し、トイレ環境も深刻だったという。凝固剤を使った簡易トイレはすぐに限界を迎え、下水の損壊でマンホールトイレも機能しなかった。「微小なライフラインの差が、避難所生活の質を決定づける」と振り返り、電気や水などの基盤の重要性を強調した。

 一方、当事者だけでは気づけない課題もあったという。「私たちは井の中の蛙(かわず)で、ここの生活が普通だと思っていた」と述べ、外部医療チームの指摘を受けて段ボールベッドを導入するなど、外からの視点が生活環境の改善につながった経緯も紹介した。

 講演後の質疑応答では、避難所開設訓練の有無や班編成の決め方、要配慮者への対応などについて質問が出た。宮口さんは、発災前に避難所開設訓練は行っておらず、当初は明確な組織体制もなかったと説明。ガムテープに「スタッフ」と書いて自主的に動くところから始まった経緯を紹介した。

 講演の最後には、主催者側から地域の防災方針について言及があった。災害時はまず「自助」を徹底し、その上で住民同士が支え合う「共助」によって避難所を運営していくことが重要だと確認。「誰かが助けてくれるのを待つのではなく、一人一人が備えることが前提」と強調した。

 今後の具体的な取り組みとして、3月15日に公民館で救命救急講習を行うことも案内した。

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