「しょうれんじこども園」(伊豆の国市南江間)で7月7日、園庭で育てた小玉スイカの収穫が行われた。同園が昨年から取り組む「空中スイカ」の栽培で、園児たちは頭上につるされた実を順番に切り取り、収穫を体験した。
空中スイカを抱える園児。地域の大人に支えられながら収穫を体験した
空中スイカを始めた背景には、以前の園内での小さな出来事があった。園庭の彩りにとプランターで育てていた1株のブロッコリーがあり、収穫の時期を過ぎてしおれ始めた頃、同園園長の渡邉元浄さんがそれを食べたことがあった。すると、園児一人が「私のブロッコリーを食べたでしょ」と反応したという。
渡邉さんは、子どもが毎日目にしていた作物に思っていた以上の愛着を持っていたことに気づかされたという。この出来事をきっかけに、遠くの畑で育てたものを収穫するだけでなく、子どもたちが日々見える場所で作物の育ちを感じられる環境づくりを、より大切にするようになった。
園庭活用が広がった背景には、運動会など広いスペースが必要な行事を体育館で行うようになったこともある。雨天でも実施しやすく、観覧する保護者が延期によって仕事の調整を迫られる負担も減らせるためだという。こうした変化で園庭の自由度が高まり、作物を育てる場としても使いやすくなった。
今回の空中スイカは、檀家の高橋恭一さん夫婦の協力で実現した。2人は3日に1度ほど園を訪れて栽培の様子を見守り、土作りや管理を支えた。収穫当日は来園できなかったが、地域の得意を生かした取り組みとして形になった。
渡邉さんは、収穫するだけでなく、育つ過程を見守り、感謝の気持ちを持って味わう「ディープな食育」を大切にしているという。今後も地域の人たちの得意を生かしながら、子どもたちにさまざまな体験や学びの機会を提供していきたい考えだ。